小笠原周辺の海域は、ザトウクジラの繁殖地になっているため、12~5月の繁殖期になると多くのザトウクジラを見ることができる。特に2月はザトウクジラを見やすい季節のようで、おがさわら丸の中にはクジラ目当てに小笠原に行く観光客が大勢いる。
そのためか、乗船1日目の午後に、小笠原で実際にホエールウォッチングのガイドをされている方による、ホエールウォッチングに関する無料のガイダンスが、船内のレストランであった。題して「小笠原でホエールウォッチングを120%楽しむために」。内容は、ザトウクジラの大きさや形などの特徴や生態、ホエールウォッチングに行く際のツアーの選び方、クジラの探し方から写真を撮るコツ、そしてクジラ以外に小笠原の海で見ることのできる動物の紹介まで、幅広く丁寧に解説されていた。

船内で夜を明かし、翌日の午前中、小笠原諸島父島列島の最北端に位置する弟島が霞の中に見えてくる頃、にわかに船のオープンデッキが騒然とする。オープンデッキに上がり、船の左舷側、弟島が見える方向に目をこらしてみると、ザトウクジラの吹き上げる潮が見える。何個体もいるようで、背中を見せながら潮を噴き上げる個体、尾ビレを水面上に出してそのまま水中に潜っていく個体、ときにはジャンプして全身を水面上に現し、そのまま背中から水面にダイブ、大きな水しぶきを上げる個体までさまざま。やっぱりナマで見ると迫力ある、前日のガイダンスの予告もあって、これは盛り上がる。
同じ船に乗った観光客達は、これから小笠原に滞在する3日間、それぞれ思い思いのツアーに参加して、もっと間近でザトウクジラ達を眺めることになる。いきなり間近で見るよりも、ガイダンス→おがさわら丸から遠望→ツアーで間近で見る、こんな、時間をかけてクジラにアプローチすることで、ホエールウォッチングが数倍にも楽しくなるのだろう。
(クジラの写真は遠すぎて撮れなかった・・・)
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