2007年3月7日水曜日

人のいない街

小笠原への唯一の交通手段、おがさわら丸は6日で東京の竹芝と父島の二見港を1往復している。竹芝を出て太平洋上で1泊、二見港に到着して3泊、二見港を出て太平洋上で1泊、竹芝に到着して1泊、そして翌日にまた竹芝から二見港に向けて発つというスケジュール。

近頃は学生の春休みシーズンとザトウクジラのシーズンが重なって、おがさわら丸の乗客数が回を追うごとに増えている。毎回、おがさわら丸が二見港に入港する日になると、朝8時の村内有線放送で、おがさわら丸の乗客数が放送される。今回はなんと473名。島の人口が2000人程度だから、おがさわら丸が二見港に着岸している3泊4日の間は島の人口の約5分の1が観光客という計算になる。

村の飲食店やツアーガイドは、この3泊4日の間はフル稼働。そしておがさわら丸が去ると皆いっせいに休息に入り、街の中にはうそのように人がいなくなる。

小笠原に来たばかりの頃、ほんの1ヶ月前のことだけれど、この、潮が引いた後のうそのような静けさをたまらなく寂しく感じていた。

1ヶ月が経ち、こんな島の生活のリズムに少しずつ順応してくると、潮が引いた後も、人がいないながらも街の飲み屋は営業中、中から聞こえてくる、繁忙期を乗り越えてくつろいでいる島の人たちのゆったりとした笑い声に安らぎを感じる。

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