島在住30年になる、とある釣り船の船主の話を聞く機会があった。
船主曰く、「昔はよかったなぁ、この島ものんびりしていて、金儲けなんて考えるやつはそんなにいなくってさ。近頃の小笠原は、なんだか忙しくて、ギスギスしていて嫌だよ。」
30年前、彼が小笠原に来た当時は、小笠原への交通手段は、現在のおがさわら丸の前々代の「ちちじま丸」、東京から父島までの所要時間は約36時間。その後、1979年に初代「おがさわら丸」が就航、所要時間は29時間に短縮された。現在の「おがさわら丸」が就航したのはちょうど10年前の1997年。現在の所要時間は約25時間。近頃は空港建設の話も持ち上がっている。
民放のテレビが入るようになったのは、ほんの7年前の2000年、それまでは衛星放送を受信しなければ民放は見ることができなかった。
携帯電話が通じるようになったのは8年前の1999年、当時はNTTドコモの音声通話のみ、iモードやメールは使えなかった。2006年8月、ようやくFOMAプラスエリアとして、父島と母島の一部地域でiモードのメールやデータ通信等のサービスが利用できるようになった。
インターネットに関しては、衛星回線の高度化によりISDNまで利用可能であるが、常時接続のブロードバンドには対応していない。
ここ30年間の話、徐々にではあるけれど、小笠原は着実に内地に近づいてきている。
船主曰く、「昔はよかったなぁ、この島ものんびりしていて、金儲けなんて考えるやつはそんなにいなくってさ。近頃の小笠原は、なんだか忙しくて、ギスギスしていて嫌だよ。」
30年前、彼が小笠原に来た当時は、小笠原への交通手段は、現在のおがさわら丸の前々代の「ちちじま丸」、東京から父島までの所要時間は約36時間。その後、1979年に初代「おがさわら丸」が就航、所要時間は29時間に短縮された。現在の「おがさわら丸」が就航したのはちょうど10年前の1997年。現在の所要時間は約25時間。近頃は空港建設の話も持ち上がっている。
民放のテレビが入るようになったのは、ほんの7年前の2000年、それまでは衛星放送を受信しなければ民放は見ることができなかった。
携帯電話が通じるようになったのは8年前の1999年、当時はNTTドコモの音声通話のみ、iモードやメールは使えなかった。2006年8月、ようやくFOMAプラスエリアとして、父島と母島の一部地域でiモードのメールやデータ通信等のサービスが利用できるようになった。
インターネットに関しては、衛星回線の高度化によりISDNまで利用可能であるが、常時接続のブロードバンドには対応していない。
ここ30年間の話、徐々にではあるけれど、小笠原は着実に内地に近づいてきている。
「空港とか通信とか、なんでそんなに速くしよう速くしようって頑張るんだろうね。みんな島が良くて島に来ているのに、便利なのが良かったら内地に帰りゃいいのに。島に来たら、島民にならなくっちゃね。」
ごもっともな話。近頃は日本国内の地域間格差が問題になっていて、少しでもこの格差を是正しようと、交通や通信等のインフラ整備に大金が投じられているけれども、必ずしも誰もがそれを良しと思っているわけではない模様。格差是正という名の下にインフラ整備が進むと、不便であるという条件の下に形成されている地域の特性が失われかねない。それをどう捉えるかは個人の価値観次第だけれども。
注1:船主のセリフについては、できるだけ意を汲むように再現していますが、一字一句同じというわけではありません。
注2:小笠原のインフラ発展の歴史については、「フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia)」を参考にしています。