2010年6月18日金曜日

Monsoon

前の投稿から半年おいて、今度の投稿はインドから。
修士論課程の後半は各自テーマを選んで修士論文研究に打ち込むことになってて、やっそが選んだのはインドのSacred Groveの生物多様性保全について。Sacred Groveとは、日本で言うお寺や神社の周りにある鎮守の森のことで、ヒンドゥー教や各地の古くからの信仰のお寺の周辺にはなかなか立派な森が残っている。インドはもともと人口密度が高く、加えて近頃の急速な発展で自然林がどんどん失われている中で、信仰や村の掟で伝統的に守られてきたSacred Groveには貴重な自然林と数多くの希少種が今なお多く残されている。そもそも自然と人間の関わりについて突っ込んだ研究がしたかったのと、日本とは遠く離れたインドの地に、日本と全く同じような形で守られてきた自然があることに興味をそそられてこのテーマを選んだ。

そんなわけで、2週間ほど前にインドに到着して、準備も整ってちょうどこれから村々を回るフィールドワークを始めるところで、なんとモンスーンの到来。調査地はインドの西海岸に連なる西ガーツ地方と呼ばれる山地で、6月から8月にかけて猛烈に雨が降る。なんてこった。

調査のことは置いといて、周りを見回すとみんなは雨に喜んではしゃいでいる模様。研究に協力してもらっている地元のAERFっていうNGOのスタッフのひとり、リチャちゃんは、大雨がふる直前の真っ黒な雲を見て「ビューティフル!」って目を輝かせて感動していた。去年の9月以降初めての雨だっていうから、みんな待ち遠しかったんだろうな。

イギリスでは冬の間、ほぼ1年の半分が悪天候で来る日も来る日も雨。本当に雨がいやになる。日本では通年雨に恵まれているせいか、そこまでは雨に喜びを感じない。インド西ガーツ地方の人びとの、モンスーン到来に対する喜びを見て感動した。年中暑くて乾燥した気候だから、飲み水や生活用水、農業のすべてがモンスーン頼み。それだけに、この自然の恵みに対する喜びもひとしおなんだろう。

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