小笠原では何よりも友人に恵まれて、お陰さまでとても充実した2年半を過ごすことができた。下は、引き上げのおがさわら丸に乗りこむ直前の見送りの様子。真ん中の青い服を着た東南アジア系のルックスの青年がやっそ、その右手の笑顔の素敵な女性が今年6月に結婚したやっその奥さん、二人の間の奥のほうにチラリと見えるのが、やっそのいちばんの遊び友達だったハハさん。左手の赤いタンクトップのワルそうなおっさんが写真家のマナさん、そして奥からシワクチャのいい笑顔を覗かせているのが元板前さんのジロウさん。よく夜にうちに招いて、ある時はお宅に呼んでもらって、魚やら何やらおいしいご飯を食べながらおいしいお酒を飲んで楽しく過ごした大切な友人たち。頭や首に巻いているハイビスカスやプルメリアの花のレイは、ここには写っていない友人たちから贈ってもらった素敵なプレゼント。小笠原時代には一緒に楽しい時間をともにして、本当にお世話になって、こんなふうに送り出してもらえるのがとてもうれしかった。こんなにいろんな人からいただいた恩を、小笠原にいる間にちゃんと返すことができたかな。

小笠原は東京から船で25時間半、ほんとに遠い島。船から去りゆく島影を見ながら、また来るね、と胸の中でつぶやいた。そして、また来ることはできても、海も気候も、そして人も温かいこの島で、同じようなゆっくりと楽しい時間を同じ人たちと過ごすことはもうないんだろうなと思って少しさびしかった。小笠原を引き上げるときには、悲しみで涙を流しながら手を振ってお別れというのが定番なんだけど、友人たちから温かい気持ちを受け取って、船が出港したあとも、無人島で仕事をするときにいつも船で渡してもらうのにお世話になったジョージさんが、いつものボートでおがさわら丸にギリギリまで近づいて「元気でなー」って叫んでくれて、悲しさやさびしさよりも嬉しさが勝って、全く涙が出なかった。みんな、ほんとうにありがとう。
あと想い出深い写真を何点か。
これは今年の7月22日に見た皆既日食。全世界的に、こんな見事な皆既日食が見られたのは小笠原近辺海域だけのよう。しかも、こんな皆既日食を、真っ青な透き通る海のど真ん中で、向かう途中にイルカのお出迎えにも会いながら見ることができたのは最高の思い出。
あと、これは出発前日に奥さんと一緒に小港で撮った写真。小港は、広々していて包み込むような温かさのある場所で、お気に入りの暇つぶしスポットだった。めったに波が入ることはないけれど、石やサンゴが少なくて、どシロウトサーファーのやっそにとってはケガの心配なく安心して入れるお気に入りのサーフスポットでもあった。
こんな素敵な小笠原から引き上げて、今は冬の底冷えがするイギリスのカンタベリーで大学院生の生活を送っている。もはや透明な海には囲まれていないけれども、もうしばらく、このタイトルで投稿を続けさせてもらおうと思ってます。
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