2008年5月14日水曜日

台風一過

昨晩、台風2号がものすごい風を伴って小笠原諸島の西沖を通過していった。

用心して、ガラス窓が割れるのを警戒して雨戸を閉めて寝たのだが、朝起きて雨戸をあけると、もうずいぶん風は収まっていたものの、窓の外から浜辺のような潮の香りがした。車は塩だらけ、事務所の物件を貸してくれている家主さんは、洗車に使うようなウォーターガンを使って家の外壁を一生懸命洗い流していた。雨を伴わない台風だったために、吹き上げられて降ってきた塩水が洗い流されず、その塩のせいで家が傷むのを防ぐためだという。

朝起きてすぐに浜に行ってみると、素晴らしく波乗り向きの波が次々と押し寄せ、十人を超えるサーファー達が次々と波に乗って滑りだしている。普段なかなかいい波の入らない小笠原では、台風が通過すると、待ってましたとばかりにサーファー達が海に繰り出す。

こんなふうに、台風の害から家を守るために手を尽くす人、逆に波という台風の産物で楽しむ人々がいて、台風が島民の生活の一部になっているというのが実感できる。

夕方、事務所で仕事をしていると俄かに外の光が赤みを帯び、これはと思って三日月山の展望台に急ぐと、西の空が台風一過ならではのダイナミックな夕焼けに染まっていた。

2008年5月4日日曜日

幻の滝

ゴールデンウィーク到来、だがしかし、せっかくの連休だというのに連日雨雨雨…。だった。昨日はたまたま早く寝付いてしまったがために朝早く目覚めた。おぼろげな記憶の中で、強い雨音が聞こえていた。今日もダメか、どうせダメかと思って二度寝。しばらくして再度目覚めてみると、窓の外が光に満ちている。カーテンを開けると抜けるように真っ青な空。この数時間の間にすさまじいまでの天気の変化。

よし、この天気はカヤックに行くしかない、そう決めた。父島やその近辺の無人島には、大雨の直後にしか姿を現さない滝がいくつもある。それは、土壌が薄く貧弱であることに加え、島自体が小さく、降雨が地表を流れ去って海に至るまでがあっという間であるということに起因している。この幻の滝をこの晴天の中見に行かない手はない、そんな滝の中でも特にダイナミックな兄島は滝ノ浦の滝を見に行くことにした。

友人3人と、4人連れ立って2隻のシーカヤックに分乗し、父島の宮之浜から海に入った。漕ぐこと十数分、滝ノ浦の滝が見えてきた。今まで見たことのある中でいちばん水量が多くダイナミックな瀑布、来た甲斐があった。
滝ノ浦の瀑布をバックに記念撮影(写真は友人の乗ったカヤック)


その後、兄島の西側に位置する人丸島のちいさなビーチに上陸、昼ごはんを食べたりゆっくりコーヒーを淹れて飲んだりスノーケリングを楽しんだり岩に登って絶景を眺めたり、のんびりと楽しみ尽くした。
人丸島の白い砂浜


今日滝ノ裏で見た瀑布の風景のように、自然の営みの移り変わりのほんの一時にしか姿を現さない壮大な風景に居合わせることは本当に貴重なこと、そんな経験をできた今日という日に大満足。