2009年2月1日日曜日

世界遺産展@小笠原ビジターセンター

できました!世界遺産展@小笠原ビジターセンター。
小笠原の世界遺産としての価値や登録に向けた取り組みについて、子どもも含めて多くの人に知ってもらい、理解を深めてもらうための展示を、昨年の秋ごろから東京都の委託で作っていて、ようやく日の目を見る日がきました!

イラストやデザインを担当したイラストレーターHABAAlisaさんの仕事が素晴らしくて、予想以上に良いものができました。

小笠原の世界遺産としての価値というのは、実はとてもわかりにくい。みなさんが小笠原といってイメージするようなイルカやクジラではなくて、ボニナイトという地球上で稀な岩石の存在だとか、島に住む小さなカタツムリのなかまだとか、その学術的な価値をもって世界遺産に登録しようとしている。

「学術的な」という言葉が出てきた瞬間に拒否反応を示す人も大勢いると思うのですが、特に南の島小笠原の住人にはそういう人が多い。そんな人にも興味を持ってもらえるように、理解してもらえるように、ビジュアルでイメージが伝わるようなイラストをたくさん使って、実物大の写真や標本を使って、ちょっとでもその価値に親しみをもってもらえるように作りました。




自己満足に終わらないように、ご覧になった方の意見も集めつつ、その成果を振り返っていきたいと思っています。

これから小笠原にいらっしゃる方、ぜひビジターセンターを訪れて、この展示を見て、わかりにくい(笑)小笠原の学術的な価値などを勉強してみてください。

因みに、イラストレーターのHABAAlisaさんはやっその大学の部活の後輩、ユーモラスなオリジナルイラストがたくさん入ったブログ「毎日オエカキ新聞」(http://my.opera.com/HABAAlisa/blog/)をいつも見させてもらっていて、その腕前に惚れ込んでこの仕事のイラストをお願いしました。お願いしてよかった、HABAAlisaさん、いろいろと苦労をかけたけどありがとう!

音楽の島

ちょっと前の話になるが、1月の中旬、佐藤公淳さんというニューヨークで活動中のテナーサックス奏者と、Kevin McHugh(ケビン・マキュー)という同じくニューヨークで活動中のジャズピアニストが島に来て、その間、島は音楽に沸いていた。この二人が島にいる間、夜な夜などこかのレストランやバーでジャズの生演奏があり、昼間には街角で流しなんかもあったみたい。メインイベントは1月16日に開かれた、福祉センターホールでの生セッション。

前半は、噂をききつけた島の人が100人ほども押し寄せて大賑わい、後半は人が減ったところで、やっそは前の席に陣取ってしんみりと聴いていた。公淳さんの、息づかいが聞こえるようなやわらかくやさしいサックスの音色に、ケビンのオリジナリティあふれるピアノの旋律の調和やかけ合い。オリジナル曲も数多くあり、完全アドリブもあり。本当に素晴らしくて、どう表現していいかわからないけれど、とにかくこんなに素晴らしい音楽が、この絶海の孤島小笠原で生で聴けること、さらにその奏者がニューヨークからはるばるやってきていることに感激。そしてこの場に居合わせることができたことに幸せを感じる。


ところで、公淳さんは実は小笠原リピーターで今回は3回目。この方は、実は目が見えない。1回目は十数年前、2回目は一昨年、そして今回が3回目。1回目に来た時にはまだ音楽にのめり込む前、そしてこの時には目が見えていた。今は、その時の記憶と人から聞く話、そして音を頼りに小笠原の景色を想像しているとのこと。目の見える人間からしてみれば想像を絶する苦労を乗り越えて、こうやって島に来て素晴らしい演奏を聴かせてくれることに感謝するばかり。そして、こうやって何度も来てくれる人の繋がりがあることが、この島の素晴らしいところ。

ついでに、この日の夕暮の写真を貼り付けておきます。